メジャーリーグベースボール(MLB)のアメリカンリーグ西地区に所属するヒューストン・アストロズは、どんなチームなのでしょうか。
宇宙の街ヒューストンを本拠地とするこの球団は、近年圧倒的な強さを誇り、2度のワールドシリーズ制覇を成し遂げています。
一方で論争を呼ぶ問題も抱えてきました。
本記事では、アストロズの歴史や特徴、そして在籍した日本人選手について詳しく紹介していきます。
Contents
アストロズってどんなチーム(球団)?
アストロズは、1962年の創設以来60年以上の歴史を持つ伝統ある球団です。
特に2010年代後半から現在にかけて、リーグを代表する強豪として君臨してきました。
ここでは球団の歩みを時系列で見ていきましょう。
球団設立
画像引用元:My Guide Houston
ヒューストン・アストロズの物語は、1962年のナショナルリーグ拡張から始まります。
当時の球団名は「ヒューストン・コルト45’s」でした。
西部開拓時代の名銃にちなんだこの名前で、球団は産声を上げたのです。
創設当初は屋外球場でプレーしていましたが、テキサスの厳しい暑さと湿気に悩まされていました。
そこで1965年、世界初のドーム球場「アストロドーム」が完成します。
この画期的な施設の誕生に合わせ、球団名も現在の「アストロズ」へと変更されました。
ヒューストンがNASAの宇宙センターを擁する「宇宙の街」であることから、宇宙飛行士を意味する名前が選ばれたというわけです。
この改名は、球団の新しい時代の幕開けを象徴するものとなりました。
リーグ移籍
アストロズは長年ナショナルリーグに所属していましたが、2013年に大きな転機を迎えます。
アメリカンリーグ西地区への移籍です。
この決断は、2011年に新オーナーとなったジム・クレイン氏がMLBからの要請を受け入れたことで実現しました。
リーグ移籍直後の3年間は厳しい時期でした。
100敗を超えるシーズンが続き、ファンの期待は低迷していたといえるでしょう。
しかし球団フロントは、データ分析を重視した近代的な手法でチーム再建に着手します。
ドラフトと育成に力を注いだ結果、有望な若手選手が次々と台頭していきました。
この忍耐強い取り組みが、後の黄金時代への礎となったのです。
黄金時代
画像引用元:Sportiva
2017年、アストロズは球団創設56年目にして悲願のワールドシリーズ初制覇を達成しました。
この快挙を皮切りに、チームは驚異的な強さを発揮していきます。
2017年から2023年まで7年連続でアメリカンリーグ優勝決定シリーズに進出するという、MLB史上でも類を見ない記録を樹立しました。
この間に2度のワールドシリーズ制覇(2017年、2022年)を果たし、名実ともにリーグ最強の座に君臨したといえます。
ホセ・アルトゥーベ選手やカルロス・コレア選手といったスター選手の活躍が、この黄金時代を彩りました。
個人的には、データ分析と選手育成の融合が生み出した成功モデルとして、野球界に大きな影響を与えたと感じています。
サイン盗み問題
画像引用元:中日新聞
華やかな成功の裏側には、球団史上最大の汚点となる事件が隠されていました。
2019年シーズン終了後、2017年と2018年に電子機器を使った不正なサイン盗みが行われていたことが発覚したのです。
MLBは徹底的な調査を実施し、球団に史上最高額となる500万ドルの罰金を科しました。
さらにドラフト指名権の剥奪、当時のGMと監督への処分という厳しい裁定が下されます。
初優勝を飾った2017年シーズンでこの不正が行われていたため、ワールドシリーズのタイトルの正当性について激しい議論が巻き起こりました。
選手たちは各地で厳しいブーイングを浴びることとなり、球団のイメージは大きく傷つきました。
スポーツにおける公正さの重要性を、改めて認識させられる出来事だったといえるでしょうね…。
近年の成績
2025年シーズン、アストロズは一つの区切りを迎えることになります。
シアトル・マリナーズとの熾烈な優勝争いの末、地区2位でシーズンを終えたのです。
これにより7年連続のリーグ優勝決定シリーズ進出という記録がストップし、8年ぶりにポストシーズンを逃しました。
一部では「黄金時代の終焉」とも評されています。
しかし球団は、日本から今井達也投手を獲得するなど新たな戦力補強を進めており、再び頂点を目指す姿勢を示しています。
強豪としての地位を維持できるかどうか、2026年シーズンの戦いぶりに注目が集まります。
アストロズに在籍した日本人
アストロズの歴史において、日本人選手の存在は決して多くありませんが、それぞれが独自の足跡を残してきました。
ここでは4名の選手について紹介します。
松井稼頭央
画像引用元:full-Count
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松井稼頭央選手は、アストロズ史上初の日本人選手として球団に加入しました。
2007年オフに3年1650万ドルという大型契約でFA移籍を果たし、大きな期待を背負ってのスタートとなります。
日本時代はPL学園高校から西武ライオンズに進み、2002年にはスイッチヒッターとして史上初のトリプルスリーを達成した輝かしい実績の持ち主です。
初年度の2008年は打率.293と健闘しましたが、その後は成績が低迷していきました。
2010年シーズン中に解雇となり、3年契約を全うすることはできませんでした。
日本球界での実績を考えれば、もっと活躍できたのではないかと感じてしまいます。
その後は楽天で日本球界に復帰し、2018年まで現役を続けました。
青木宣親
画像引用元:BASEBALL GATE
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青木宣親選手は、2017年シーズン途中にトレードでアストロズに加わりました。
日本時代は早稲田大学から東京ヤクルトスワローズに入団し、2005年には新人ながらセ・リーグ初のシーズン200安打を達成して新人王に輝いています。
アストロズでの在籍期間は短かったものの、71試合で打率.272という堅実な成績を残しました。
特に注目する点は、6月11日の試合で日本人選手として7人目となる日米通算2000本安打を達成したことです。
この偉業を称え、在ヒューストン日本国総領事公邸でレセプションが開催されたといいます。
また6月30日の試合では投手として登板するという珍しい経験もしており、多彩な才能を見せつけました。
短い期間ながら、確実に球団の記憶に残る活躍をした選手だったと評価できるでしょう。
菊池雄星
画像引用元:full-Count
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菊池雄星投手は、アストロズ初の日本人先発投手として歴史に名を刻みました。
2024年7月にトロント・ブルージェイズからトレードで移籍してきます。
アストロズ移籍後の投球内容は目覚ましいものがありました。
移籍後10試合に登板し、防御率3.99という安定した成績を残したのです。
9月8日の試合ではメジャー通算40勝目を達成し、日本人左腕投手として史上最多勝利数の記録を打ち立てました。
球団の投手育成力の高さを証明する活躍だったといえます。
シーズン終了後はFAとなり、ロサンゼルス・エンゼルスと3年6300万ドルの契約を結びました。
短い在籍期間でしたが、確かな実績を残して新天地へと旅立っていったのです。
今井達也
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今井達也投手は、2026年シーズンからアストロズでプレーする最新の日本人選手です。
埼玉西武ライオンズからポスティングシステムを利用してMLB移籍を果たし、3年総額5400万ドル(最大6300万ドル)という大型契約を勝ち取りました。
2025年の日本球界では24登板で10勝5敗、防御率1.92という圧巻の成績を残しています。
最速158キロの速球と空振り率46%のスライダーを武器とする本格派右腕です。
各シーズン後にオプトアウト権が付与されるという、日本人投手としては前例のない契約内容も話題となりました。
1月5日の入団会見では「ワールドチャンピオンを目指す準備はできている」と力強く宣言し、背番号45でプレーすることを発表しています。
先発陣の負傷者が続出したアストロズにとって、今井投手の加入は非常に重要な補強となるはずです。
個人的には、若さと才能を兼ね備えた今井投手が、アストロズの新時代を切り開く存在になることを期待しています!
まとめ
アストロズは1962年の創設以来、ナショナルリーグからアメリカンリーグへの移籍、そして2010年代後半からの黄金時代と、波乱に満ちた歴史を歩んできました。
サイン盗み問題という汚点を抱えながらも、2度のワールドシリーズ制覇を成し遂げた実力は本物です。
日本人選手は松井稼頭央選手、青木宣親選手、菊池雄星投手、今井達也投手の4名が在籍してきました。
2026年シーズン、今井投手の活躍とともに、アストロズが再び頂点を目指す姿に注目が集まります。


