世界中から注目を集めるロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手。
毎日テレビのニュースで「大谷翔平」の名前を聞かない、ネットニュースで名前を見ない日はないと言っても過言ではない人気ぶりです。
そんな大谷翔平選手の名前が以外な所で使われている事で話題となっています。
中国の福建省の企業が「大谷翔平」選手の名前を中国で商標登録申請をし、現在審査中という事です。
今までも商標に関しては色々と問題があった中国ですが、実施に申請が許可された場合、どうなるのでしょうか?
この記事では中国企業が「大谷翔平」選手の名前を商標登録した目的や、登録された場合の問題点、過去の似たような事例について詳しく解説していきたいと思います。
Contents
中国の商標登録事情は?
ドジャースの大谷翔平選手が中国の全く関係ない企業から無断商標申請されたと言う。
中国はこれまでも日本や世界から無断で商標登録して問題になっているがこれも大谷人気に便乗して金儲けしようと言う企みだろうがこれは大谷自身とドジャース球団からも訴えられる可能性があるだろう。 pic.twitter.com/0cSYLOo9FW— 🎌YAMATO🎌 (@BattleShip2255) February 26, 2024
中国は過去にも色々と商標登録に関してよく問題が起きていましたが、現在の中国の商標登録は出願数は年間100万件以上あり世界一の出願数だそうです。
日本の場合は「先使用権」といって、対象となる商標を使用した結果、需要者の間でその商標が広く認知されている場合、他の人がその名前について商標権を取得しても、商標を継続して使用することが可能となります。
しかし、中国では「先使用権」は認められておらず、“先に出願されたものについて優先的に登録される”といった「先願使主義」が採用されているため、その名前に認知があるろうがなかろうが、商標権を取得したものが勝ちとなってしまいます。
商法登録出願の件数も中国では1年に100万件以上であり、世界一である。この出願件数は日本 の約10倍である。
先願主義を採用しており、先に出願されたものについて優先して登録される。
中国商標法では日本の商標法で規定されているような「先使用権」は認められていない。「先使用権」とは使用した結果として需要者の間で広く知られた 場合、他人が商標権を取得しても、商標を継続して使用できるという権利のことである。いわば商標使用によって生じる既得権といえるものだ。中国では「先使用権」が認められていないので、日本に比べて商標登録する必要性がより高いと言えそうである。
「大谷翔平」を商標登録申請した中国の企業とは?
今回、「大谷翔平」という名前を商標登録した中国企業とはどんな企業なのでしょうか?また申請の範囲や目的についても見ていきたいと思います。
登録申請したのはどんな企業?
「大谷翔平」を商標登録申請した企業ですが、福建省の企業としか情報が開示されていませんでした。
この中国企業は、大谷翔平選手本人、ロサンゼルス・ドジャースとも全く無関係の企業で、服飾メーカーとの情報となっています。
この福建省の企業は「大谷翔平」が野球選手の名前とは知らず、元々自分が作ったブランド名が「大谷」で、その後に2文字を適当に付けたと回答しています。
どう考えても偶然にこのタイミングで「大谷翔平」になるはずがありませんよね。“大谷翔平”ブームに乗っかって商標申請をしたのは明白ですね。
画像引用元:TBS NEW DIG
またこの企業は過去に文字を並び変えると「ブルガリ」「エルメス」「カルティエ」と高級ブランドの名前になるような申請もしているようです。かなりの確信犯ですね。
申請した商標登録の範囲は?
画像引用元:TBS NEW DIG
今回、「大谷翔平」を商標登録した中国企業は、2023年12月に2件の申請を行っているようです。
2件中1件が、今回の福建省の服飾メーカーで、Tシャツやベビー服、帽子、靴下などアパレル分野での商標申請がされているようです。
もし今回の申請が通った場合、「大谷翔平」という漢字4文字が書かれたTシャツを含めるアパレル商品をこの福建省の企業以外が中国で販売した場合、商標侵害となります。
大谷翔平選手の所属しているロサンゼルス・ドジャースであっても、中国で「大谷翔平」と書かれた商品を売る場合は、この企業の許可がないと中国での販売ができなくなってしまいます。
登録申請した目的は?
「大谷翔平」の名前が中国で商標登録されると、この企業が独占的に中国国内で商品を販売する事あできるようになりますから、他の企業はこの企業にお金を払う必要がでてきます。
インタビューに対して、既に色々と取引を提案してきているようですね。
「あなたたちがもし、本当にこの商標が必要ならば、また私に連絡してください。私も、この商標を必ずしも使うわけではない。私のブランド名は、実はどんな名前に変更してもいいです」と続け、「大谷翔平」の商標が必要なら譲ってもいい、と取引を提案してきた。
引用:FNNプライムオンライン
この中国企業の目的は主に次の2つになります。
画像引用元:TBS NEWS DIG
「ライセンス契約」
他の企業が「大谷翔平」の名前が記載された商品を販売しようとした場合に、50万~100万円の権利使用料を支払う必要がでてきます。
「商標権の売却」
もしこの企業が商標権を売却すると、売却額は1000万以上になる可能性があるようです。
「大谷翔平」の商標登録が許可された場合の影響とは?
今回の中国企業が商標登録申請した「大谷翔平」が許可された場合の影響について見ていきたいと思います。
中国で「大谷翔平」の服が売れなくなる?
画像引用元:TBS NEWS DIG
前述したとおり、この中国企業が商標登録を取得すると、他の企業が中国で「大谷翔平」の名前が記載しているアパレル商品(商標登録の範囲内)の販売ができなくなります。
中国の市場規模は非常に大きいですから、経済的な効果はかなり影響が出てくるでしょうね。
他企業違う分野で商標登録を行う可能性がある
今回、もう1件の申請がどのようなものなのか判明していませんが、今後、例えば野球用具など他の分類で商標登録を狙ってくる企業が出てくる可能性は高くなると思います。
そうなってくると、“取ったもの勝ち”になってしまいますね・・・。
商標登録の許可が出る可能性は?
今回の商標登録申請ですが、許可が出る可能性はどれぐらいなのでしょうか?弁護士によっても見解が違うようです。
菊池幸夫弁護士は可能性としてはあるのではないかとコメントしています。
「人の名前って、商標登録って難しい」と言うものの、「比較的最近は、人の名前も結構受け付けられたりしてるんで、もしかしたら通っちゃうかもしれませんね」と、認められる可能性はあると話した。
引用:東スポWEB
一報で、押本特許商標事務所の押本所長は大谷翔平選手クラスの著名人の商標登録には本人に承諾が必要なので、認められない可能性が高いのではないかとコメントしています。
「大谷選手のような著名人の商標登録には本人の承諾が必要。申請は認められない可能性が高い」ということです。
引用:TBS NEWS DIG
過去にも「マイケル・ジョーダン」の名前が登録されたり、「羽生結弦」さんの名前については否認されたりと様々な結果が出ていますが、今回の「大谷翔平」選手の名前は申請許可が下りるのでしょうか?
今後も注目していきたいと思います。
過去に問題となった商標登録の事例
画像引用元:TBS NEWS DIG
過去に中国において商標登録申請で話題となった日本の企業や著名人の一部を紹介したいと思います。
無印良品
日本で人気の有名企業である無印良品が中国に進出した際に、先に「無印良品」を商標登録していた中国企業に提訴され、裁判で敗訴しています。
羽生結弦
フィギュアスケートの羽生結弦さんは中国でも非常に人気が高く、申請件数は7件ありましたが、いずれも否認されています。
中国での羽生結弦さんの愛称でもある「羽生柚子」については食品会社で1件登録されているようです。
岸田文雄
現在、日本の前内閣総理大臣である岸田文雄首相の名前が、中国の河北省にあるビールや炭酸水、スポーツ飲料などを扱っている飲料メーカーで申請がされているようです。
その他
他にも、「ヤマハ」「コシヒカリ」「あきたこまち」「夕張メロン」「鬼滅の刃」や、都道府県名、皇室関連の名前も申請され、認められたケースもあるようです。
世間の反応は?
当然ですが、日本のファンは大激怒です。SNSなどではあきれた声が上がっています。
中国企業が『大谷翔平』を勝手に商標申請 認められたら日米中で大問題に ⇒ネットの反応「油断も隙もあったもんじゃ無いな💢」「そういうとこやぞ」 https://t.co/vzzcEP7f1n
— しばだあと (@shiba_dirt) February 28, 2024
中国企業が大谷翔平の商標を申請する発想は驚くべきものですね。しかし、人の名前を無断で商標にするのは常識に反します。大谷選手の名前は彼自身のものであり、認められるべきではありません。
— ひきこもりおじさん@楽しむひきこもり生活発信 (@nanasijinseisa1) February 27, 2024
中国企業「大谷翔平」を商標申請
あら、まぁ…
またこのような商売を!なんだろうな、売れると思えばまずは申請しちゃう考え方🤔🤨
スピーディーな動きは見習うところがあるかもしれないけど、偶然性を言うのがアウトでは?#商標申請#中国#大谷翔平https://t.co/BdgaR9XOAv
— 株式会社プロフェース・システムズ (@proface_kanri) February 27, 2024
バカなの?
誰って?なに?もう呆れるしかないね💦
中国企業が「大谷翔平」を商標申請 取材には「大谷って誰?」もし商標登録されたら?中国企業の狙いは?【Nスタ解説】(TBS NEWS DIG Powered by JNN) – Yahoo!ニュース https://t.co/QXWBkGOxoM
— 猫目子 (@OY2K0Xb2FRtu5aQ) February 27, 2024
まとめ
以上が、中国企業が「大谷翔平」選手の名前を商標登録した目的や、申請許可が下りた場合の問題点などについて詳しく解説してきました。
儲かると思うとどんな事でも素早く行動に移すお国柄もありますので、ある程度こういった事態はある程度予測していましたが、やっぱり期待を裏切らず行動に移してきましたね。
前例や最近の傾向を見ますと、個人的には恐らく認められないのではないかと思いますが、また新しい情報が開示されましたら追記していきたいと思い