大谷翔平選手と鈴木誠也選手がMLBのシルバースラッガー賞の最終候補にノミネートされたことが発表されました。
大谷翔平選手は、ドジャース移籍1年目となる2024年シーズン、MLB史上初の「50本塁打-50盗塁」達成を含む圧倒的な成績を残し、ナショナル・リーグ指名打者部門の最終候補となりました。
一方、シカゴ・カブスの鈴木誠也選手は、メジャー3年目にして外野手部門で2年連続の最終候補入りを果たしています。
両選手が受賞すれば、日本人選手による初の同時受賞という快挙となります。
大谷翔平選手にとっては、エンゼルス時代の2021年、2023年に続く3度目の受賞となれば、イチロー選手の日本人最多受賞記録に並ぶことになります。
受賞者は日本時間11月13日に発表される予定で、野球界からの注目が集まっています。
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大谷翔平選手と鈴木誠也選手が最終候補選手にノミネート!
Congratulations to our Silver Slugger finalists! pic.twitter.com/p9CVN7yrW2
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) November 4, 2024
MLB機構は11月4日(日本時間5日)、2024年シーズンのシルバースラッガー賞の最終候補を発表しました。
特筆すべきは、ワールドチャンピオンとなったロサンゼルス・ドジャースから球団最多となる5選手がノミネートされたことです。
その中には、ナショナル・リーグ指名打者部門の大谷翔平選手も含まれています。
また、シカゴ・カブスからは外野手部門で鈴木誠也選手が選出されました。
大谷翔平選手の2024年シーズンの成績
画像引用元:olympics.com
大谷翔平選手は、ドジャース移籍1年目となる2024年シーズン、右肘手術の影響で投手としての登板はありませんでしたが、打者として驚異的な成績を残しました。
- 出場試合数:159試合
- 打率:.310(リーグ2位)
- 安打数:197本(リーグ2位)
- 本塁打:54本(リーグ1位)
- 打点:130(リーグ1位)
- 得点:134(リーグ1位)
- 盗塁:59個(リーグ2位)
- 出塁率:.390(リーグ1位)
- OPS:1.036(リーグ1位)
特筆すべきは、MLB史上初となる「50本塁打-50盗塁」を達成したことです。
これまでの記録は「40本塁打-40盗塁」が最高で、この記録を持つ選手もわずか6人しかいません。
また、本塁打と打点でリーグ2冠を獲得し、チームのワールドシリーズ制覇にも大きく貢献しました。
鈴木誠也選手の2024年シーズンの成績
画像引用元:中日新聞
鈴木誠也選手は、MLB3年目となる2024年シーズン、安定した打撃を見せ、チーム内でも高い評価を得る活躍をしました。
- 出場試合数:132試合
- 打率:.283(リーグ9位、外野手では2位)
- 安打数:145本
- 二塁打:27本
- 三塁打:6本
- 本塁打:21本
- 打点:73
- 盗塁:16個
- OPS:.848
シーズン中には右脇腹の負傷により約1ヶ月の離脱を余儀なくされましたが、復帰後も安定した打撃を見せました。
特に8月22日には21号本塁打を放ち、自己最多記録を更新。
日本人右打者として初の2年連続20本塁打達成という快挙も成し遂げています。
ナ・リーグのノミネート選手は?
指名打者部門では、大谷翔平選手とマルセル・オズナ選手(ブレーブス)が最終候補となっています。
オズナ選手は39本塁打、OPS.924という好成績を残していますが、シーズン終盤には大谷翔平選手に差をつけられる展開となりました。
外野手部門では、鈴木誠也選手の他に、ジャクソン・チョーリオ選手(ブルワーズ)、テオスカー・ヘルナンデス選手(ドジャース)、ジュリクソン・プロファー選手(パドレス)、ジャクソン・メリル選手(パドレス)がノミネート。この5名の中から3名が受賞することになります。
また、ドジャースからは大谷翔平選手の他に、捕手部門でウィル・スミス選手、一塁手部門でフレディ・フリーマン選手、外野手部門でテオスカー・ヘルナンデス選手、ユーティリティ部門でムーキー・ベッツ選手が候補入りし、球団として両リーグ最多の5選手がノミネートされました。
シルバースラッガー賞とは?
画像引用元:Yahoo!ニュース
シルバースラッガー賞は、1980年に制定された賞で、MLBにおいて各シーズン最も打撃に優れた選手を表彰する制度です。
各リーグのポジション別に選出され、各球団の監督やコーチの投票によって決定されます。
選出されるポジションは、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、捕手、外野手(3名)、指名打者、ユーティリティプレイヤーとなっています。
2022年からは両リーグで指名打者制が採用されたことに伴い、投手部門が廃止され、新たにユーティリティープレイヤーの部門が設けられました。
打撃のベストナインに相当する賞として高い権威を持ち、受賞者には高さ約91センチメートルのトロフィーが贈られます。
守備力を評価するゴールドグラブ賞と並んで、ポジション別の個人表彰として最も権威ある賞の一つとされています。
過去に受賞した日本人選手は?
シルバースラッガー賞を受賞した日本人選手は、これまでイチロー選手と大谷翔平選手の2名のみです。
イチロー選手は外野手部門で3度の受賞を果たし、日本人最多記録を保持しています。
大谷翔平選手は指名打者部門で2度受賞しており、今回受賞すればイチロー選手の記録に並ぶことになります。
イチロー選手(3回受賞)
画像引用元:スポニチSponichiAnnex
イチロー選手は、メジャーリーグ挑戦1年目から圧倒的な打撃技術を見せ、アジア人初となるシルバースラッガー賞を獲得しました。
3度の受賞はいずれも打率.350以上という驚異的な数字を残しており、安打製造機としての実力を証明しています。
2001年の成績(1回目)
・打率:.350
・安打数:242本
・盗塁:56個
・シーズン新記録となる242安打を達成
・新人王とMVPも同時受賞し、史上2人目の快挙
2007年の成績(2回目)
・打率:.351
・安打数:238本
・盗塁:37個
・7年連続200安打を達成
・首位打者のタイトルも獲得
2009年の成績(3回目)
・打率:.352
・安打数:225本
・盗塁:26個
・MLBの歴代記録となる9年連続200安打を達成
・リーグ首位打者も獲得
大谷翔平選手(2回受賞)
画像引用元:讀賣新聞
大谷翔平選手は、エンゼルス時代の2021年と2023年に指名打者部門で受賞。
特に2021年は投手としても活躍し、二刀流選手として前例のない受賞となりました。
パワーと俊足を兼ね備えた多彩な打撃で、新たな時代を切り開いています。
2021年の成績(1回目)
・打率:.257
・本塁打:46本
・打点:100
・盗塁:26個
・投手としても9勝を挙げる二刀流の活躍
・満票でのMVP受賞も果たす
2023年の成績(2回目)
・打率:.304
・本塁打:44本
・打点:95
・盗塁:20個
・右肘の故障を抱えながらも打者として圧巻のパフォーマンス
・シーズン途中で右肘手術を受けるも、打者としての活躍は衰えず
大谷翔平選手の2度の受賞は、いずれも40本以上の本塁打を放つパワーヒッターとしての成績が評価されました。
イチロー選手が安打製造機として評価されたのに対し、大谷翔平選手はパワーヒッターとして異なるタイプの打者ながら、等しく高い評価を得ています。
これは日本人選手の打撃技術の多様性を示す好例となっています。
シルバースラッガー賞の最多受賞回数は?
画像引用元:full-Count
MLBにおけるシルバースラッガー賞の最多受賞記録は、外野手として活躍したバリー・ボンズ選手が持つ12回です。
歴代受賞回数のトップ3は以下の通りとなっています。
- 12回:バリー・ボンズ選手(外野手)
- 10回:マイク・ピアッツァ選手(捕手)
- 10回:アレックス・ロドリゲス選手(三塁手)
ポジション別の最多受賞回数は以下の通りです:
遊撃手部門
9回:バリー・ラーキン選手
三塁手部門
8回:ウェイド・ボッグス選手
二塁手部門
7回:ライン・サンドバーグ選手
指名打者部門
7回:デビッド・オルティーズ選手
一塁手部門
4回:トッド・ヘルトン選手
4回:アルバート・プホルス選手
4回:ポール・ゴールドシュミット選手
これらの記録からは、長期にわたって高い打撃成績を維持することの難しさが窺えます。
特にバリー・ボンズ選手の12回という記録は、打撃の一貫性と卓越性を示す象徴的な数字として、現在も破られていない大記録となっています。
また、ポジションによって受賞回数に差があるのも特徴的で、外野手や捕手など、打撃での貢献が特に重視されるポジションで多くの受賞歴を持つ選手が見られます。
各ポジションのレジェンド選手たちが築いたこれらの記録は、シルバースラッガー賞の権威を高めると同時に、MLBにおける打撃技術の進化の歴史を物語っています。
現役選手の中で、これらの記録に迫る選手の出現が期待されており、今後の記録更新の可能性にも注目が集まっています。
まとめ
以上が、大谷翔平選手と鈴木誠也選手が最終ノミネートされたシルバースラッガー賞について詳しく解説してきました。最後にポイントを簡単にまとめたいと思います。
- 大谷翔平選手と鈴木誠也選手が2024年シーズンのシルバースラッガー賞最終候補にノミネート
- 大谷翔平選手は「50-50」達成、打率.310、54本塁打、130打点など圧巻の成績で、3度目の受賞に期待
- 鈴木誠也選手は打率.283を記録し、日本人右打者初の2年連続20本塁打達成など、着実な成長を示す
- シルバースラッガー賞は1980年に制定された打撃のベストナインを選出する権威ある賞
- 日本人最多受賞はイチロー選手の3回で、大谷翔平選手が並ぶ可能性
- 史上最多受賞はバリー・ボンズ選手の12回
両選手の受賞の行方に注目が集まる中、特に大谷翔平選手の受賞はほぼ確実視されています。
打率.310、54本塁打、130打点という優れた成績に加え、MLB史上初の「50-50」達成という歴史的な記録を打ち立てたことは、高い評価を受けるでしょう。
また、鈴木誠也選手も外野手部門で安定した打撃を見せており、日本人選手による同時受賞という新たな歴史が刻まれるかどうか、11月13日の発表が待たれます。