2024年11月9日、千葉ロッテマリーンズが”令和の怪物”と呼ばれる佐々木朗希投手のメジャーリーグ挑戦を容認することを発表しました。
球界に衝撃が走ったこの決断の裏には、大きな経済的な影響が隠されていました。
佐々木朗希投手は現在23歳。大リーグの25歳ルールにより、マイナー契約しか結べないため、球団が受け取る譲渡金は約3億円以下となる見込みです。
これは昨オフ、オリックス・バファローズの山本由伸投手がロサンゼルス・ドジャースと結んだ大型契約時の譲渡金約72億円と比べると、実に70億円以上の差額が生じることになります。
本人の「若いうちに挑戦したい」という強い思いと、球団の選手本位の決断。
その背景には、複雑な事情と大きな決断が存在していました。
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千葉ロッテが佐々木朗希のポスティングを容認
画像引用元:中日スポーツ
千葉ロッテマリーンズの松本尚樹球団本部長は、佐々木朗希投手のメジャーリーグ挑戦を容認した理由について、「とにかく早く行って勝負したい、若い年齢で勝負したいとはずっと入団当初から言っていました。
そういう話をずっとしてきた。
最終的には総合的にこちらも判断して今年容認しました」と説明しました。
球団としては、経営面を考えると25歳を迎える2026年までは待ちたい意向でしたが、選手の強い思いを尊重する形での決断となりました。
これは球界でも稀に見る「選手第一」の判断として注目を集めています。
佐々木朗希投手も、球団を通じて「一度しかない野球人生で後悔のないように、そして今回背中を押していただいた皆様の期待に応えられるように、マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」とコメント。
若くして世界最高峰に挑戦する決意を表明しました。
この決断は、日本のプロ野球界に大きな波紋を投げかけることとなり、若手選手の海外移籍に関する議論を活発化させるきっかけとなっています。
千葉ロッテが受け取る譲渡金は約2億9000万円
画像引用元:Yahoo!ニュース
佐々木朗希投手は25歳未満のため、現行のメジャーリーグ労使協定により、マイナー契約しか結べないことが決まっています。
これは2016年以降に導入された規則で、若手選手の契約に関して厳格な制限を設けています。
契約金は各球団で定められている「国際ボーナスプール」の制限を受けることになります。
このボーナスプールは球団ごとに割り当てが異なり、獲得できる選手の契約金総額に上限が設定されています。
米スポーツ専門局「ESPN」の報道によると、2025年1月15日以降に契約した場合、契約金は最大でも750万ドル(約11億4000万円)となります。
マイナー契約の場合、ロッテに支払われる譲渡金は契約金の25%と定められており、最大で187万5000ドル(約2億9000万円)となる見込みです。
この金額は、メジャーリーグで活躍が期待される若手エースの移籍金としては極めて少額であり、球団経営に与える影響も少なくありません。
また、契約後は招待選手としてスプリングトレーニングに参加し、実力次第でメジャーリーグでの活躍のチャンスを掴むことになります。
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千葉ロッテの損失は70億円以上?あと2年待てば・・・
画像引用元:Yahoo!ニュース
佐々木朗希投手が25歳ルールの対象年齢を超えるまであと2年。
この時期を待っていれば、より大きな契約を結ぶ可能性がありました。
実際、昨オフに同じポスティングシステムで大リーグ移籍を果たした山本由伸投手は、25歳でロサンゼルス・ドジャースと12年総額3億2500万ドル(約465億円)の大型契約を締結。
オリックス・バファローズには約72億円の譲渡金が入ることになりました。
この差額は実に約70億円。
佐々木朗希投手の場合も、25歳まで待てば同様の大型契約を結べた可能性が高く、球団への還元も大きくなっていたと考えられます。
メジャー契約選手の譲渡金は、契約総額に応じて段階的に設定されており、以下のような計算方法が採用されています:
- 契約総額2500万ドルまでの部分:20%
- 2500万ドルを超えて5000万ドルまでの部分:17.5%
- 5000万ドルを超えた額:15%
このように、大型契約ほど球団への還元額も増えていく仕組みになっています。
佐々木朗希投手の潜在的な市場価値を考えると、25歳での移籍であれば、山本由伸投手と同等かそれ以上の契約を結ぶ可能性も十分にありました。
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佐々木朗希のメジャー挑戦に世間の反応は?
画像引用元:CoCoKARA
佐々木朗希投手のメジャーリーグ挑戦に対する反応は、大きく二分されています。
応援する声からは「若いうちに挑戦する勇気は素晴らしい」「マイナー契約からのスタートでも実力で這い上がってほしい」といった期待の声が上がっています。
また、球団の決断を評価する声も多く、「選手の夢を後押しする素晴らしい判断」「経営よりも選手を優先した英断」といった意見が見られます。
一方で、慎重な意見も少なくありません。
「もう2年待てば大型契約が結べたのに」「球団の損失が大きすぎる」という経済面での懸念や、「日本でもっと実績を積んでからでも遅くなかった」「完璧な状態でメジャーに行ってほしかった」という競技面での心配の声も上がっています。
また、25歳ルールそのものへの疑問の声も多く、「才能ある若手の可能性を制限するルールは改正すべき」「日本球界の発展を妨げている」といった意見も見られます。
まとめ
以上が、佐々木朗希投手のメジャーリーグ挑戦に関する千葉ロッテマリンズが受け取る譲渡金について詳しく解説してきました。最後にポイントを絞りたいと思います。
- 23歳での挑戦により、マイナー契約しか結べず、譲渡金は約3億円以下
- 25歳まで待てば約72億円の譲渡金が見込まれた
- 球団は経営面での大きな損失を承知で選手の夢を優先
- 世間の反応は応援と懸念が入り混じる
佐々木朗希投手のメジャーリーグ挑戦は、プロ野球選手のキャリア選択における重要な事例となりそうです。
経済的な損失を承知で選手の夢を後押しした千葉ロッテマリーンズの決断は、今後の日本プロ野球界における若手選手の海外移籍に関する議論にも大きな影響を与えることでしょう。
また、25歳ルールの存在が日本の若手選手のキャリア形成に与える影響についても、より活発な議論が行われることが予想されます。
佐々木朗希投手の挑戦が、日米野球界の関係性や制度設計を見直すきっかけとなる可能性も秘めています。