2024年シーズン、大谷翔平選手はロサンゼルス・ドジャースへの移籍1年目で、メジャーリーグ史に新たな歴史を刻む大活躍を見せました。
54本塁打と59盗塁という前人未到の「50-50」達成をはじめ、日本人初のトリプルスリー、史上初となる3度目の満票でのMVP受賞など、次々と新記録を打ち立てました。
さらに、チーム成績でもワールドシリーズ制覇に大きく貢献し、個人とチーム両面で輝かしい成果を残しました。
打者に専念した今シーズン、大谷翔平選手は野球界に新たな歴史を刻む偉業を達成。本記事では、その驚異的な記録と成績を詳しく振り返ります。
Contents
【2024年】大谷翔平の成績
画像引用元:NHK
大谷翔平選手は2024年シーズン、159試合に出場し、驚異的な成績を残しました。
その詳細な成績を見ていきましょう。
まず打率では.310をマークし、リーグ2位の好成績を収めました。
197本の安打を放ち、そのうち54本が本塁打(リーグ1位)、38本が二塁打、7本が三塁打という内訳でした。
打点は130(リーグ1位)を記録し、得点も134(リーグ1位)と、打撃の主要カテゴリーでリーグトップクラスの成績を残しています。
特筆すべきは盗塁数で、59個(リーグ2位)という驚異的な数字を記録。
これは日本人選手の記録を大きく更新する快挙となりました。
また、出塁率.390(リーグ1位)、OPS1.036(リーグ1位)と、選球眼の高さと強打を兼ね備えた総合的な打撃能力の高さを示しました。
WAR(選手の貢献度)においても、bWAR9.2、fWAR9.15という素晴らしい数字を残し、リーグ最高値を記録。
指名打者として打撃に専念した今シーズン、その能力を存分に発揮する結果となりました。
大谷翔平の打ち立てた記録
2024年シーズン、大谷翔平選手は数々の新記録を打ち立て、野球界に大きな衝撃を与えました。その詳細を見ていきましょう。
DH初、史上初の3度目の満票MVP受賞
画像引用元:Trading Card Journal
2024年11月21日、大谷翔平選手は全米野球記者協会(BBWAA)の投票で、史上初となる3度目の満票でのMVP受賞を果たしました。
これは2021年、2023年に続く快挙で、特に注目すべきは以下の点です:
- 指名打者(DH)専任での受賞は史上初
- 両リーグでのMVP受賞は、フランク・ロビンソン(1961年レッズ、1966年オリオールズ)以来、史上2人目
- 2年連続でのMVP受賞(2023年エンゼルス・アメリカンリーグ、2024年ドジャース・ナショナルリーグ)
この受賞により、大谷翔平選手は「指名打者はMVPになれない」という従来の常識を覆し、DHの新たな可能性を示しました。
史上初の50-50達成
画像引用元:MLB.JP
2024年シーズン、大谷翔平選手はメジャーリーグ史上初となる「50本塁打-50盗塁」を達成しました。
この偉業は、まず8月に40-40クラブ入りを果たし、その後さらに記録を伸ばすことで実現しました。
メジャーリーグでは、シーズン40本塁打と40盗塁を記録する「40-40クラブ」でさえ、極めて稀少な記録とされてきました。
歴代の達成者は以下の5名のみです。
- ホセ・カンセコ(1988年・アスレチックス)
- 42本塁打、40盗塁
- 史上初の達成者
- バリー・ボンズ(1996年・ジャイアンツ)
- 42本塁打、40盗塁
- ナショナルリーグ初の達成者
- アレックス・ロドリゲス(1998年・マリナーズ)
- 42本塁打、46盗塁
- 当時史上最年少(23歳)での達成
- アルフォンソ・ソリアーノ(2006年・ナショナルズ)
- 46本塁打、41盗塁
- 本塁打数では40-40達成者中最多
- ロナルド・アクーニャJr.(2023年・ブレーブス)
- 41本塁打、73盗塁
- 直近の達成者、盗塁数は40-40達成者中最多
そして2024年、大谷翔平選手が史上6人目の40-40達成者となり、さらに9月19日のマーリンズ戦で、メジャーリーグ史上初となる「50本塁打-50盗塁」を達成しました。
この試合での詳細な活躍は以下の通りです。
- 3打席連続本塁打を含む6打数6安打
- 10打点という日本人選手初の記録
- 2盗塁を記録し、50-50達成の瞬間を作る
- 最終的に54本塁打、59盗塁という驚異的な記録に到達
この記録は、パワーとスピードを兼ね備えた大谷翔平選手の多才な能力を象徴するものとなりました。
日本人初トリプルスリー達成
画像引用元:スポニチSponichiAnnex
大谷翔平選手は2024年シーズン、日本人選手として初めてのトリプルスリー(打率3割以上、30本塁打以上、30盗塁以上)を達成しました。
- 打率.310
- 54本塁打
- 59盗塁
これらの数字は、トリプルスリーの基準(打率3割以上、30本塁打以上、30盗塁以上)を大きく上回るもので、その卓越した能力を如実に示しています。
トリプルスリーは、打撃と走塁の総合力を示す指標として、メジャーリーグで高く評価されてきました。
そして2024年、大谷翔平選手が史上15人目、アジア人初のトリプルスリー達成者となりました。
大谷翔平選手のトリプルスリー達成は、単なる日本人初の記録という以上に、野球史に新たな1ページを加える偉業となりました。
特に、トリプルスリーと50-50を同時に達成したことは、パワーとスピード、そして高打率を兼ね備えた「完璧な打者」としての評価を不動のものとしたといえるでしょう。
アジア出身選手最多ホームラン記録達成
画像引用元:CoCoKARA
9月17日のマーリンズ戦で48号本塁打を放ち、韓国出身の秋信守選手が持っていた通算218本の記録を更新しました。
注目すべきポイントは、次の通りです。
- わずか7シーズンで通算219本を達成
- 秋信守選手の16年間での記録を短期間で更新
- シーズン54本塁打は日本人選手の新記録
- 松井秀喜選手の持つ日本人記録(175本)も大きく更新
その他
大谷翔平選手は、2024年シーズン、数多くの日本人メジャーリーガーの記録を更新しました。
以下の表で、更新された記録と歴代記録を詳しく見ていきましょう。
記録項目 | 大谷翔平選手の記録 | 旧記録 |
---|---|---|
シーズン最多本塁打 | 54本 |
|
シーズン最多打点 | 130打点 |
|
シーズン最多盗塁 | 59個 |
|
シーズン最多得点 | 134得点 |
|
シーズン最多長打 | 99本 |
|
1試合最多打点 | 10打点 |
|
1試合最多安打 | 6安打 |
|
1試合最多本塁打 | 3本 |
|
シーズンOPS | 1.036 |
|
記録更新の特筆すべき点
- シーズン打撃記録の多くで、松井秀喜選手やイチロー選手が持っていた記録を更新
- 1試合記録では、特に9月19日のマーリンズ戦で複数の記録を同時に更新
- 長打力と走力を組み合わせた記録(長打数、得点)で顕著な記録更新
- 多くの記録で、自身の前年の記録をも更新
これらの記録更新は、大谷翔平選手の多才な能力と安定した実力を示すとともに、日本人メジャーリーガーの新たな基準を打ち立てたといえるでしょう。
特に、パワーと走力を兼ね備えた選手としての記録は、今後長く記録として残ることが予想されます。
【2024年】大谷翔平が獲得したタイトル
画像引用元:YAHOO!ニュース
2024年シーズン、大谷翔平選手は数々の個人タイトルを獲得しました。
その詳細は以下の通りです。
1. ナショナルリーグMVP
・満票(30票中30票の1位票)
・DH専任での初受賞
・史上初の3度目の満票受賞
2. シルバースラッガー賞
・ナショナルリーグDH部門
・打率.310、54本塁打、OPS1.080の成績による受賞
3. オールMLBファーストチーム
・4年連続4度目の選出
・DH部門での選出
4. エドガー・マルティネス賞
・最優秀指名打者に贈られる賞
・4年連続4度目の受賞
5. ハンク・アーロン賞
・最強打者の証として贈られる賞
・2年連続2度目の受賞
・両リーグでの受賞は史上初
さらに、以下の打撃タイトルも獲得しました。
- 本塁打王(54本)
- 打点王(130打点)
- OPS王(1.036)
大谷翔平の通算記録
画像引用元:AMEMA TIMES
ここでは2024年シーズン終了時点での、大谷翔平選手の通算成績について見てみたいと思います。
NPB通算成績(2013-2017:日本ハムファイターズ)
【投手成績】
年度 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | 完投 | 完封 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013 | 13 | 3 | 0 | 4.23 | 61.2 | 46 | 0 | 0 |
2014 | 24 | 11 | 4 | 2.61 | 155.1 | 179 | 3 | 2 |
2015 | 22 | 15 | 5 | 2.24 | 160.2 | 196 | 8 | 3 |
2016 | 21 | 10 | 4 | 1.86 | 140.0 | 174 | 7 | 1 |
2017 | 5 | 3 | 2 | 3.20 | 25.1 | 29 | 1 | 0 |
通算 | 85 | 42 | 15 | 2.52 | 543.0 | 624 | 19 | 6 |
【打者成績】
年度 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013 | 77 | .238 | 3 | 20 | 0 | .284 | .376 | .660 |
2014 | 108 | .274 | 10 | 31 | 8 | .338 | .505 | .842 |
2015 | 104 | .202 | 5 | 17 | 4 | .252 | .376 | .628 |
2016 | 104 | .322 | 22 | 67 | 7 | .416 | .588 | 1.004 |
2017 | 65 | .332 | 8 | 31 | 0 | .403 | .540 | .942 |
通算 | 403 | .286 | 48 | 166 | 19 | .358 | .500 | .859 |
MLB通算成績(2018-2024)
【投手成績】
年度 | チーム | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | LAA | 10 | 4 | 2 | 3.31 | 51.2 | 63 |
2019 | LAA | – | – | – | – | – | – |
2020 | LAA | 2 | 0 | 1 | 37.80 | 1.2 | 3 |
2021 | LAA | 23 | 9 | 2 | 3.18 | 130.1 | 156 |
2022 | LAA | 28 | 15 | 9 | 2.33 | 166.0 | 219 |
2023 | LAA | 23 | 10 | 5 | 3.14 | 132.0 | 167 |
2024 | LAD | – | – | – | – | – | – |
通算 | 86 | 38 | 19 | 3.01 | 481.2 | 608 |
【打者成績】
年度 | チーム | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | LAA | 104 | .285 | 22 | 61 | 10 | .361 | .564 | .925 |
2019 | LAA | 106 | .286 | 18 | 62 | 12 | .343 | .505 | .848 |
2020 | LAA | 44 | .190 | 7 | 24 | 3 | .291 | .366 | .657 |
2021 | LAA | 155 | .257 | 46 | 100 | 26 | .372 | .592 | .964 |
2022 | LAA | 157 | .273 | 34 | 95 | 11 | .356 | .519 | .875 |
2023 | LAA | 135 | .304 | 44 | 95 | 20 | .412 | .654 | 1.066 |
2024 | LAD | 159 | .310 | 54 | 130 | 59 | .390 | .726 | 1.036 |
通算 | 860 | .282 | 225 | 567 | 145 | .371 | .575 | .946 |
※LAA:ロサンゼルス・エンゼルス、LAD:ロサンゼルス・ドジャース
まとめ
以上が、2024年シーズンの大谷翔平選手の活躍について詳しく解説してきました。最後にポイントを簡単にまとめたいと思います。
- メジャーリーグ史上初の「50-50」達成を成し遂げ、54本塁打と59盗塁という前例のない記録を打ち立てました。
- 史上初となる3度目の満票でのMVP受賞に加え、指名打者専任での初のMVP受賞という快挙を達成し、DHの新たな可能性を示しました。
- 日本人選手として初のトリプルスリーを達成し、同時に本塁打王、打点王を獲得するなど、打者として圧倒的な成績を残しました。
- ロサンゼルス・ドジャース移籍1年目で、打率.310、54本塁打、130打点、59盗塁という数々の日本人最多記録を更新し、チームのワールドシリーズ制覇にも貢献しました。
大谷翔平選手の2024年シーズンは、野球の新たな可能性を示した革新的な1年となりました。
打者として専念した今シーズン、その潜在能力を存分に発揮し、メジャーリーグ史に大きな足跡を残しました。
この記録づくめのシーズンは、野球界に新たな歴史を刻むとともに、今後の野球界に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。