シカゴ・カブスで活躍する今永昇太選手が、ナショナルリーグ新人王候補として注目を集めています。
2024年シーズン、今永昇太選手は15勝3敗、防御率2.91という素晴らしい成績を残し、チームの勝利に大きく貢献しました。
もし新人王を獲得すれば、野茂英雄さん、佐々木主浩さん、イチローさん、大谷翔平選手に続く、日本人選手として史上5人目の快挙となります。
しかし、パイレーツのポール・スキーンズ選手やパドレスのジャクソン・メリル選手など、強力なライバルも存在します。
今永昇太選手は新人王を獲得できるのでしょうか?その可能性を詳しく探っていきたいと思います。
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今永昇太の2024年シーズンの成績
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今永昇太選手は、2024年シーズン、カブスの先発投手として29試合に登板し、素晴らしい活躍を見せました。
15勝3敗という高い勝率を記録し、防御率は2.91でリーグ5位にランクイン。
173.1イニングを投げ、174個の奪三振を記録しています。
特筆すべきは、その正確なコントロールです。
28個の四球で、9回あたりの与四球率は1.52と非常に低く、優れた制球力を示しています。
WHIP(投球回あたりの与四球・被安打の合計)も1.02とリーグ7位の好成績でした。
また、被安打149安打、被本塁打27本と、打者を抑える能力も高いレベルで安定しています。
今永昇太選手の先発時、チームの勝率は圧倒的に高く、23勝6敗を記録。
一方、他の投手が先発した試合では60勝73敗と大きな差が出ており、チームにとっての価値の高さを示しています。
月別の成績を見ると、特に5月は防御率0.78と圧倒的な活躍を見せ、6月に一時的な調整期間があったものの、その後立て直して8月以降も安定した投球を続けました。
今永昇太が新人王に選ばれる可能性は?
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今永昇太選手の新人王獲得の可能性については、いくつかの要因を考慮する必要があります。
まず、純粋な成績面では十分な実力を示しています。
15勝3敗という勝率、リーグ5位の防御率2.91、そして174個の奪三振は、新人王に値する数字といえるでしょう。
特に、勝利数、防御率、先発投手数、投球回数、奪三振数、WHIPなど、ほぼすべての統計指標でチーム内トップの成績を残しています。
また、与四球の少なさも特筆すべき点です。
29試合の先発で与四球はわずか28回であり、これはカブス史上でも6人目の快挙。
グロバー・アレクサンダーさん、ファーガソン・ジェンキンスさん、デニス・エカーズリーさんといった殿堂入り選手たちと並ぶ記録です。
この数字は、今永昇太選手の投球の質の高さを物語っています。
さらに、チームへの貢献度の高さも評価に値します。
先発時の勝率の違いが示すように、今永選手の登板は常にチームに勝利をもたらす大きな要因となっています。
これは、単なる個人成績以上の価値があると言えるでしょう。
しかし、31歳での新人であること、日本プロ野球での経験があることは、投票において不利に働く可能性があります。
MLBでは若い才能の発掘と育成に重点が置かれており、すでにプロとしての経験を積んだ選手への評価は、純粋な新人と比べて異なる場合があります。
ブックメーカーのオッズでも、今永昇太選手は5~6番手の人気となっています。
また、カブスがプレーオフ進出を逃したことも、評価に影響を与える可能性があります。
チームの最終的な成績は、個人タイトルの投票においても無視できない要素となることがあります。
今永昇太の新人王争いのライバルは?
今永昇太選手の新人王獲得を阻む強力なライバルが存在します。
中でも特に注目されているのが、ポール・スキーンズ選手とジャクソン・メリル選手です。
ポール・スキーンズ(パイレーツ)
画像引用元:BASEBALLKING
パイレーツの22歳右腕、ポール・スキーンズ選手は、5月にデビューして以来、圧倒的な活躍を見せています。
11勝3敗、防御率1.96、170奪三振(133イニング)という驚異的な成績を残し、オールスターゲームでは先発を務めました。
1.96という防御率は、1913年以降、20試合以上先発した新人投手としては歴代2位の好成績です。
WHIP0.95という数字も、その圧倒的な実力を示しています。
9回あたりの奪三振率は約11.5と非常に高く、打者を圧倒する力を持っています。
特に、ヤンキース戦でのソトとジャッジという強打者を連続三振に打ち取るなど、トップクラスの打者に対しても圧倒的な投球を見せています。
2023年のドラフト全体1位指名という期待に応える形での活躍は、新人王争いにおいて大きなアドバンテージとなっているでしょう。
ジャクソン・メリル(パドレス)
画像引用元:スポニチSponichiAmex
21歳の外野手、ジャクソン・メリル選手は、打率.292、24本塁打、90打点、16盗塁、OPS.824という素晴らしい成績を残しています。
開幕から正中堅手として活躍し、現地オッズでは最有力候補となっています。
春季キャンプでショートストップからセンターフィールドに転向しながらも、素早く適応。
パドレス史上最高のルーキーシーズンを記録し、2024年のルーキーの中で、安打数、打点、打率、長打率、OPSなど多くのカテゴリーでトップに立っています。
特に、162安打を放ち、そのうち31本の二塁打、6本の三塁打、24本の本塁打と、長打力も兼ね備えた活躍を見せています。
また、9回以降の同点または勝ち越しホームランを5本打つなど、重要な場面での活躍も光ります。
チームメイトのボガーツ選手は、「この年齢で、私はワールドシリーズに出場しましたが、彼は私よりもずっと優れています」と評価しており、その実力の高さがうかがえます。
新人王の資格とは?
MLBの新人王資格には、明確な基準が設けられています。
野手の場合は前年までのMLB通算打席数が130打席未満、投手の場合は前年までのMLB通算投球回数が50イニング未満であることが条件です。
また、共通の条件として、前年までのアクティブ・ロースター登録期間が45日未満であることも必要です。
重要なのは、MLBデビュー1年目に限定されないという点です。
上記の条件を満たしていれば、2年目以降でも資格を得られます。
また、日本のNPBなど、他国リーグでの実績は資格判定に影響しないため、今永昇太選手のような日本での実績のある選手でも「新人」として扱われます。
なお、負傷者リストなどの出場停止リスト登録中の期間や、9月1日以降のロースター拡大期間での登録日数は、45日のカウントから除外されます。
この柔軟な資格基準により、様々な背景を持つ選手に新人王獲得のチャンスが与えられているのです。
過去に選出された日本人選手
メジャーリーグで新人王を獲得した日本人選手は、これまでに4人います。それぞれの選手の偉業を振り返ってみましょう。
野茂英雄(ロサンゼルス・ドジャース)
画像引用元:full-Count
1995年、野茂英雄さんは日本人として初めてメジャーリーグで新人王を獲得しました。
13勝6敗、防御率2.54(リーグ2位)、236奪三振(リーグ最多)、3完封(リーグ最多)という素晴らしい成績を残し、「日本人はメジャーには通用しない」という固定観念を打ち破りました。
前半戦は6勝1敗、防御率1.99という圧倒的な成績で、オールスターゲームでは先発投手を務めました。
後半戦も7勝5敗、防御率3.03と安定した投球を続け、チームの7年ぶりの地区優勝に貢献。
「NOMOマニア」という言葉が生まれるほどの人気を博し、日本人選手のメジャーリーグ挑戦への道を開きました。
佐々木主浩(シアトル・マリナーズ)
画像引用元:週刊ベースボールONLINE
2000年、佐々木主浩さんはリリーフ投手として新人王を獲得。
37セーブは当時のメジャー新人記録で、奪三振率11.20はリリーフ投手陣でリーグトップでした。
63試合に登板し、2勝5敗、防御率3.16という成績を残しています。
32歳という年齢でのメジャーデビューにもかかわらず新人王を獲得したことは特筆に値し、これは史上2番目の高齢受賞となりました。
日本での「ハマの大魔神」としての実績をメジャーリーグでも証明し、日本人投手の実力の高さを示しました。
イチロー(シアトル・マリナーズ)
画像引用元:Medium
2001年、イチローさんは打率.350、242安打(新人最多安打記録)、56盗塁という驚異的な成績で新人王を獲得。
さらに、シーズンMVP、シルバースラッガー賞、ゴールドグラブ賞も獲得し、首位打者、盗塁王のタイトルも手にしました。
242安打はメジャーリーグ史上最多安打記録となり、56盗塁はアメリカンリーグ最多を記録。
イチローさんの活躍により、マリナーズは116勝46敗という驚異的な成績を残し、アメリカンリーグ西地区優勝を果たしました。
大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)
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2018年、大谷翔平選手は二刀流として新人王を獲得。
打者として打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁、投手として4勝2敗、防御率3.31という成績を残しました。
6月に右肘内側側副靱帯を損傷し、投手としての登板が制限されたにもかかわらず、打者として素晴らしい成績を残したことが高く評価されました。
メジャーリーグ史上初の二刀流での新人王獲得は、野球界に大きな衝撃を与え、新たな可能性を示しました。
まとめ
以上が、今永昇太選手の新人王獲得の可能性について解説してきました。最後に簡単にポイントをまとめてみたいと思います。
- 成績面では、15勝3敗、防御率2.91という高い実績を残し、優れた制球力を見せた
- チーム内のほぼすべての投手成績でトップ
- 新人王争いにおいては、強力なライバルが存在する(スキーンズ選手、メリル選手)
- 31歳での新人という年齢的なハンディもある
今永昇太選手は、十分な実力と成績を残していますが、新人王獲得は決して簡単ではありません。
特にスキーンズ選手の防御率1.96という驚異的な成績や、メリル選手の若さと多彩な活躍は、大きな壁となっています。
しかし、カブス史上歴代の名投手たちと並ぶ記録を達成し、チームの勝利に大きく貢献した今永昇太選手の活躍は、新人王選考において十分に評価される価値があります。
日本人選手として5人目の新人王獲得という偉業の可能性は十分にあり、今後の発表が大いに注目されます。
特に、今永昇太選手の安定した投球は、メジャーリーグでも高く評価されています。
29試合という多くの登板数、173.1イニングという投球回数は、耐久性と信頼性の高さを示しています。
また、チーム成績の明暗を分けるほどの影響力は、新人とは思えない存在感を示しています。
過去の日本人新人王獲得者たちは、それぞれの時代に新たな歴史を刻んできました。
野茂英雄さんは日本人メジャーリーガーの先駆者として、佐々木主浩さんはリリーフ投手として、イチローさんは野手として、そして大谷翔平選手は二刀流として、それぞれが独自の価値を示してきました。
今永昇太選手も、その正確な制球力と安定した投球で、日本人投手の技術の高さを証明しています。
新人王獲得の成否に関わらず、今永昇太選手の2024年シーズンの活躍は、日本人選手のメジャーリーグでの評価をさらに高めることにつながるでしょう。
そして、今後のメジャーリーグを目指す日本人選手たちにとって、新たな道標となることは間違いありません。